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大河は後処理があるとの事で数人の部下と連絡を取り現場に残る事になった。
面倒事を押し付けない様にとの配慮だろうがもう一つの面倒事をこちらに押し付ける為の体の良い言い訳を見つけたと本人はさぞ大喜びだっただろう。
故に今自分は彼に押し付けられたもう一つの面倒事に直面している。
目の前にあるのは一枚の扉、壁には【KEEP OUT】の文字が書かれた黄色のテープが
これでもかと思う程びっしり貼られており、
絶対に入って来るなとの部屋の主からのメッセージがひしひしと伝わっている。
この部屋の最も質の悪い所はカギが付いているのにも関わらず鍵をかけていない所である。
鍵が開いているのなら入っても問題ないのではないだろうか?
と思うのだが只の鍵のかけ忘れの可能性もある中この壁の文字、
ましてその部屋の主が女性という事も相まってかかっていない事が抑止力になっている。
ドアノブを引いてみてしまっているのなら諦めるのみで済むのだが、
思わず開いてしまったら最後、無数の罪悪感に自ら蝕まれる事になるのだ。
『コン、コン……』
恐る恐る扉を叩き反応を待つ。
返答は案の定来ず暫く静寂が続いた。
再び扉を叩き今度は声をかける。
「もう飯の時間だぞ、身支度はすんでるか?」
「………」
やはり中から返答が来ない。
メッセージを送っているが一向に既読が付かない、
しかしアイツの場合は未読スルーを使用している可能性が大いにある。
理由は至極単純、面倒くさいから。
一体何時からこんな性格になってしまったのだろうか……
扉の前で一人頭を悩ませていると玄関の扉が開かれた音が聞こえた。
自分達は二人で暮らしている為もうこの家の住人はここと扉の向こうにしかいないはず、
しかし鍵を開ける動作もインターホンも無しにその人物は入ってきた。
自分達で無いとしたら後誰が入って来たか直ぐに分かる。
その人物は扉の前まで来ると三回ノックして部屋の住人に対して呼びかける。
「紫~ご飯の時間よ。早く出てこないと宿題写させてあげないわよ~」
のんびりとした声で諭すように中に呼び掛ける。
その声が届くか否や、部屋の中でドタドタと物音を鳴らし、
遠くから『5分、5分待って‼』と、情けない声が返ってきた。
突如来訪した少女はたった一言でこの難攻不落の城(妹の部屋)を落としたのだ。
「流石“京子”君だな、紫の扱いに慣れているな」
「聖さんが紫を甘やかしすぎるからこうなっているんですよ“自覚”あります?」
「す、すまん」
「全く、二人とも私が居ないとダメなんだから。先に行って準備してるから早めに来てね」
そう言うと彼女“松木京子”は家を出て行った。
彼女“松木京子”は先程共に超常の生物“怪異”を共に?討伐した“松木大河”の実の娘である。
何故そんな彼女がごく当たり前のようにこの家に入って来たかと言うと、
この家は彼女、というより彼女の祖母“松木清子”がオーナーのシェアハウスだからだ。
シェアハウスと言っても数年前までシェアハウスとして使用していた場所で、
今はもう一般の客が入居できるようになっていない。
自分が引っ越してくるに辺り大改造したとの事で
2階建ての1階は全て共有のスペースになっており、
8つあった部屋の殆どの壁が開通され、大きな部屋3つに魔改造されているのだ。
わざわざ自分達の為に用意してくれたと思っていたのだが、
一般の場所や警察局内ですら話す事が出来ない極秘会議を行う場所が欲しかった。
との理由が一番大きかったそうだ。
実際一回の共有スペースでは“特殊自然対策課”の面々がこの場所と使い、
会議(飲み会)を開く事が多々ある。
(今思えばあのバカ騒ぎも紫が部屋に籠る事になった理由の一つでは無いだろうか……)
会議は常に1階で開かれる為、自分達が住む2階にはいくら彼等でも上がって来る事は無い。
唯一上がってくるとしたら先程訪れた“松木京子”だけだろう。
京子が俺と紫が通う高校と同じ高校に在学しており年もクラスも紫と同じ為、
引っ越しをしてからずっと紫を気に欠けていてくれている。
同世代の友達というより従妹に近い感覚だろう。
家もこのシェアハウス“松木壮”のすぐ隣にある為こうして何度も気軽にやってくるのだ。
一時期は『もう一部屋余っているし私もここに住もうかな』
と冗談半分で行っていたのだが二人で渋い顔をしながら残り一部屋の現状を見せた所
『……うん、自分の部屋もうあったんだった』と遠い目をしながら言い諦めた。
彼女をフォローするつもりは無いが、あの部屋の惨状を見たら誰もがそう答えるだろう。
因みにその惨状を作り上げたのは他でもない我が妹“東雲紫”の手腕である。
紫の身支度の前に恐る恐るその部屋を覗いたがその光景を見てそっと扉を閉じた。
一見散らかっている様に見えるのだろうが紫にはその不規則な並びが規則性を持っている
との事である。昔京子と二人で善意を持って整理整頓した所、
鬼の形相で睨まれ三日三晩口を聞いてくれなかった事があった。
あれ以来俺達の中ではあの部屋は紫の部屋並みの開かずの間となった。
昔の事に思い浸っているとテープ張りの扉がゆっくりと開かれ、
中から一人の人物が顔を出した。
背中まで伸びた長い白髪に赤い瞳、背丈は中学生に見間違えてしまいそうな程小さく、
真っ白な肌の細い手足がダボダボの服の中から姿を表していた。
「おまたせ」
「紫……」
「今日は何だろうな~ごちそうなんでしょう」
「紫さん……」
「何がいいと思う?私は唐揚げが良いなぁ~」
「ちょっと一旦待とうか」
わざと聞く耳を持たない様に振舞う紫の肩を両手でつかみ逃がさないようにする。
「何…早くいかないと冷めちゃうよ」
「お前……服はどうした?」
「………」
明らかに目線を反らす紫。先程の5分間で身支度をしていたのだろうと思っていたのだが、そんな事は一切していなかった。部屋着から着替えたには着替えたのだが、その格好はあまりにも身支度を整えたとは思えない格好だった。
「その服……俺のだよな?」
「………」
世間一般では彼シャツなどの言葉が存在するが、
今の紫はその言葉を使用すると兄シャツをしているのだ。
いや兄シャツ所では無い、シャツもパンツも含め、全身俺の服で武装しているのだ。
“シャツ”と形容するには少々足りないだろう。
だが一番の問題はそこでは無い。
「お前の服はどうした」
「………」
「最近選択したはずの俺の服が見つからず新しい服を買うはめになったんだが……」
「………」
明らかに目が泳いでいるのが分かる。
じっと左下を見つめながらチラチラとこちらの様子を伺っている様だ。
「……はぁ、怒ってないから正直に言いなさい」
「………せ、洗濯中だったカラ」
「洗濯機を回しているのは俺だ、ここ数週間紫の私服は一度も出てないぞ」
「………」
苦しい嘘がバレた事で赤面をしながら右上左上を往復するように目を泳がせる。
もうこれ以上ごまかす事が出来ないと分かったのか、
両手で顔を覆いながら小さな声で『ごめんなさい』とつぶやいたので勘弁してやろう。
それにしても外出するだけでそこまで衣服が無かっただろうか……
そういえばここ一月で制服以外着ている姿を見ていない。
そもそも部屋着以外を見ていない気がする。
「後で京子君と一緒に買い物行ってきなさい」
「はい……」
「さて、ご飯行こうか。きっとみんな待ってるだろうし」
話を切り上げた事で解放されたと思った紫はバッッ!っと顔を上げ『ごはんっごはんっ』と言って先に行こうとする。先程のしおれた態度は一体どこに行ったのだか、もう少し反省してもらわないといけないな。
「夕飯の後部屋の中をチェックします」
「えっ!!」
「まだ他の服が有るかもしれないので回収します。ついでに掃除もします、宜しいですね?」
「……はい」
紫との会話を切り上げ隣の家“松木家”の扉を開く。
中に入るとおじさん以外は既に揃っており、丁度食卓に並べる所だった。
俺はキッチンへと進んで行きおばさんの手伝いを始めた。
今からでも何か手伝う事が有るだろう。
「聖君悪いね。じゃあお箸とコップ持って行ってくれない」
「分かりました」
自分が食事の準備をしている最中紫はと言うと京子と清子さんに捕まっており、
京子からはこちらをチラチラ見ながらにやけた顔で紫の脇腹を小突いていた。
再び赤面をさらした紫は逃げる様に清子さんの陰に隠れ、
清子さんは2人の孫?を相手にお話をしている様だ。
「こうしてみると本当の姉妹みたいだな…」
「あら、良いのよ家の子になっても」
「それは……そうですね。そうできたらアイツにとって一番良いのかもしれませんね」
この時自分は一体どんな顔をしていたのだろうか分からないが、
きっとろくな顔はしていないはずだ。
笑っていたのならばおばさんがあんなに悲しそうな表情をするはずが無いのだから。
「おう、帰ったぞ~」
「おじさん帰って来たみたいですね」
暗い空気になりかけた所に大河がタイミングよく帰って来てくれた。
自分は突如出された助け舟に乗りこの場をやり過ごす事にする。
おばさんもこちらの対応に気が付きこれ以上は言及しないでくれた。
大河の帰宅と共に家族(松木家+二人)が全員揃う事が出来たので皆で食卓を囲む事になった。
ご飯、味噌汁、冷奴に唐揚げ、ポテトサラダにきんぴらごぼう、
ホッケ、肉じゃがと和風の豪華な食事が盛りだくさんだった。
「多くないか……」
誰もが思った疑問を最初に口にしたのはこの中でも一番ガタイの良い大河だった。
どう見ても女性4人と男性2人で食べるような量では無い。
おばさんの方に目配せすると『作りすぎちゃった』
と可愛らしく言うモノだから誰も攻める事が出来なかった。
結局全てを食べる事が出来なかった為、
残りはタッパーに入れ僕らのお土産へと変貌していった。
食後紫の開かずの間探索をしようと帰ろうと思ったら大河に呼び止められた。
今後の対策を話し合う為、一度会議をしたいとの事でこの後内に来る様だ。
確かにあの脅威をほっておく訳にはいかない、
それに会議となると紫にも出席してもらわなくてはならなくなる。
だがそうなると自分の服が返ってこないしせっかく掃除が出来る機会が無くなってしまう。
自分の部屋に入られる事が無くなると気付いた紫は珍しく大河の提案に乗り、
サムズアップして『大河グッジョブ……』と言うばかりである。
もう自分の服などはどうでも良い、しかし紫の部屋は是が非でも掃除がしたかった自分は
最終手段“勇者召喚”により京子を紫の部屋へと遣わす事にした。
紫は親の仇のようにこちらを睨みつけていたが、
京子の圧に勝つ事が出来ずしぶしぶ部屋の中へと案内するのだった。
「さて、会議を始めようと思うのだが……紫、さっきの元気はどこ行った」
松木壮のリビングのソファーに座る自分たち三人だったが紫の元気は無い、
と言うより心ここにあらずと言う感じだ。
先程から2階の自分の部屋をチラチラと確認している。
それもその筈、部屋の中に一度入り出てきた京子はにやけ顔で紫にサムズアップして
再び部屋の中へと姿を消したのだから、
そしてその部屋からは今も尚不気味な笑い声が聞こえてくる。
『グヘへへへ』なんて言葉を実際に聞くとは思わなかった。
そんな自分の娘の汚い笑い声を聞いた大河でさえ
『アイツ学校でしっかりやっているのか心配になって来たな』と口を零したほどだ。
自分の知っている限りだと高校でも12を争う高貴な高根の花として有名なのだが、
あの変わりようはここにいる人物以外は知る余地も無い。
大河に学校での振る舞いを伝えようとしたが、
学年が違う俺からの情報は大して宛にならないからここは黙っておこう。
あのテンションの上がりようを見て流石に気の毒になったのか、
気が付けば紫の頭をそっと撫でていた。
2階の奇声(京子の声)が落ち着いたのを皮切りに自分達は会議を始めた。
今回の議題は勿論先程討伐した“鬼”の怪異の件である。
大河の話によればあの後直ぐに“掃除屋”に連絡して
現場の復旧と隠蔽工作を徹底的に行ったが、結局あの怪異の出所は分からずじまいだったとの事だ。
「誰の願いから生まれたかも何処から出現したのかも分からねぇ、正直お手上げだ」
「節分ならまだしも今は6月、とっくに過ぎてますし、野良で沸いたとは考えにくいですね」
「そういう事だ、だから紫、鬼の出現場所と時間だけでも割り出せないか?」
「………」
話を振られた紫だったが物調面を続け聞く耳を持っていなかった。
機嫌を損ねるといつもこうなるのだが今回の原因は紫自身にある為、
助け舟を出さないようにする。
そもそも大河からの依頼は俺達2人に出す物では無く、
個々に出しているので常に交渉権はお互いが持っている形になる。
大河に何とかしてくれと目配せをされたが、
いつも通り仕事の話は各々で決着をつけてくれと意味を込めて黙って首を横に振った。
大きなタメ息を吐きながら半ばあきらめた様で一言『何が欲しい』と言ってしまった。
『大河、それは愚策だぞ』と心の中で叫びながら二人のやり取りを見守る。
案の定その言葉を聞いた瞬間“紫”の顔が明らかに笑顔になり、
自分には分からない機械の名前を次々と上げていった。
「ちょ、ちょっと待ってくれ、アナログのおっさんには途中から何言ってるかさっぱり分らんし、どこで句切れているか分からん。後で纏めて言ってくれ」
「ん、分かった」
と満面の笑みで交渉成立の合図を取る紫。
内容をまとめると一方的に紫が欲しいモノを全て手に入れた形になるのだろう。
総額いくらになるのか分かったモノでは無いが
自分には被害は無いので俺は目をつむる事にした。
話を元に戻そうとしたら紫が徐にノートPCを開き、画面をこちらに向けてきた。
そこに映っていたのは街の商店街で突如出現したあの“鬼”が出現した映像を捉えたモノだった。
なんとあの交渉際に既に仕事を熟した後だったのだ。
そもそも交渉の土俵に立っていなかった物を自分の要望を通す為に交渉の材料にしたのだ。
これには流石に大河も文句を言いたそうにしている。
しかし、それも束の間この映像には続きがあった。
先程の映像を今度は別の角度から撮った映像が出てきたのだ。
しかも今度は画面全体が赤外線カメラの様な映像になっている。
「コレは?」
「監視カメラの映像を解析して魔力の流れを可視化したもの」
「え!?」
通常魔力は“魔術師”が自身の目に魔力を通し直接見なければその流れを見る事が出来ないもので
ましてや映像に映ったモノはあくまで機械が切り取った光の情報である。
普段から光を反射しない魔力は当然映像に残らない。
その映像を魔力を通した目で見ても見る事すらできないのだ。
だが妹はその魔力の流れを誰でも見る事が出来るように
可視化した映像を用意したという事になる。
この事に言及をしようとした俺と大河だったが
『説明するの面倒だから見て』の一言で押し黙る事にした。
映像に移されているのは隣町の商店街の昼間それも今日の映像だ、
時刻はちょうど正午頃から映像が始まっている。
商店街にいるのは老若男女様々な人たちがいる。
しいて言うならば昼時の為、学生がいないという事だけだ。
それ以外特に関係性が見当たらない。
そんな人々の中から突如魔力が漏れだした。
漏れ出した魔力は空気中を漂い、ある一点で集約していく。
集約された魔力は徐々に膨れ上がりその姿を表した。
「…鬼だ」
自然発生したモノでは無く一人の魔術師により生み出されたその鬼は
人々の連想によって生まれた頂上の生物だった。
何度再生してもその光景は変わらない、
先程戦った“鬼”はまさしく無意識から生まれた偶然の産物だとこの映像が物語っている。
「そんなことあるのか…まさかあれが人為的なモノでは無いと」
「結果だけ見るとそうなりますね、だとすると相当ヤバいですよ。直接戦ったから分かりますけど下手な“魔術師”だと手におえないです。それに自然発生と言うならばあのレベルの物がうじゃうじゃ出てくる可能性があるという事になる。単純に染色があったとしても手が足りなくなる」
あんなのが所かまわず町中を蔓延っているなんて冗談じゃない。
「それがそうでもないんだよね」
紫は深刻に悩む僕らを横目に話を続ける。
「少し調べてみたけどここ数週間は同じ現状は起きていないんだよね」
「どういう事だ?偶然とでも言うのか?」
「いや、偶然じゃないよ。皆が偶然や運っていう事には必ずからくりが存在するんだ」
冷凍庫からアイスを取り出し頬張りながら話し始めた。
「つまり、人為的な物と言いたいのか?」
「どっちもかな」
「人為的な物がたまたま条件を満たしてしまった為に生まれてしまった」
「若しくは自然的な物を人為的に引き起こした……とか」
「……何らかの催眠にかかっていると?」
「催眠と言うより思考誘導かな。かけられた人に一切負担をかけさせない微弱な物、それこそ“鬼”を連想するだけとかかな? どうやっているかまだ分からないけどね」
どう、役になったでしょ。と言わんばかりのどや顔でアイスを頬張る紫。実際発覚してから数時間しかなかったのにここまで調べ上げているのだから何も文句は言えない。
「短い時間で良くここまで調べ上げたな」
「ま、まぁね……」
素直に褒めたのだが何故か紫はその発言を聞いた時、ばつが悪い様に目を反らした。
妹は普段は表情をあまり表に出さないが親しい間柄だと驚く程に感情豊かになる。
特に感情は全て表情に出るのだ。
そしてその妹が今目を泳がせている、しかも自分に対して……。
「紫…コレ、一体何時調べた……?」
「ふゅ、ふゅ∼」
音の鳴らない口笛を必死にならして誤魔化す。
いつもの唯一の逃げ道である部屋は現在魔人が悲鳴を上げながら掃除をしているのだ、
今やゆかりの逃げ道はどこにも無い。
「お前…俺が戦闘中に……まぁ、良いか」
どのみち時間短縮につながったんだ、文句は何もない。
それよりも今はこの現状を何とかするのが先決である。
「さて、紫のおかげで敵のイメージ層が膨らんだな。目的は不明だが催眠や幻覚などの“魔術”を用いて深層心理の奥に“怪異”のイメージを定着させている“魔術師”がいる。改めてその魔術師を探しだし捕獲する依頼を二人に出したい。構わないか?」
「俺は特に問題ない。紫はどうだ?」
「………」
「紫?」
「報酬次第かな…不特定多数から一人を見つけ出すの大変だし」
「……分かったよ、後で金額は相談な」
半ば諦めた様で頭を掻きながら小声で「経費落ちるかな」など言っているから彼の苦労が伺える。
先程京子に甘やかしすぎと言われたが自分だけのせいではない気がする。